まずはこちらをご覧ください。筆ペンで描いたイラストです。
細部まで描きこんでないのに人間の姿に見えませんか?
実はこれ、ポーズ集の体のアウトラインだけをトレースしたものなんですが、細部を描きこんでないにも関わらずこれだけで人間に見えてしまいます。
脳は絵を見てすぐに「これは何だ?」と疑問を投げかけ、知識や記憶を元にこれが何かを考えます。その結果、このポーズ、形、髪の毛は人間だという風に認識します。
絵を描き始めた人の場合、資料をみても
- どこを線で書けばいいかわからない
- 細部まで描きこもうとするけどできない
- 「腕はこう、足はこう」と見本があるのに、頭の中の記憶を元に描いてしまう
事が多いです。
しかし、骨や筋肉よりもシルエットが人間らしくあればそれらしく見えます!
実在する人間をどう描けばいいのかわからないのは輪郭線が無いから、というのも一つの理由です。
人間らしいシルエットを意識して描く+体の中で難しい部位を簡略化することで簡単に体が描けます。
体の中で難しい手を簡単に描く方法
体の中で1、2を争うほど難しいのが手。美しく描きたいものですが初心者のうちから頑張って描こうとすると挫折してしまうので(体験談)思い切って簡略化してしまいましょう。
五本指じゃない手袋のように親指だけを出して、他の指を一体化させる方法。
なぜ親指だけ差別するのかというと生えている場所が違うからです。ごめんね…。
たとえ簡略化してもシルエットを意識して描けば手に見えます。
慣れてきたら指を描きこんでいってみてください。
比率を意識して腕・足を簡単に描くポイント
こちらの記事でも書きましたが、人体を描く時にはいくつかの決まり事や比率があります。
- 親指から小指までの手の幅は、顔の横幅とほぼ同じ
- 直立した時、股間の横に手首がくる
- 肩から肘、肘から手首までの長さが同じ
- 足のつけ根から膝、膝から足首までの長さはほぼ同じ
- 頭から股、股から足までの長さは同じ
- 乳首と乳首の間がちょうど頭一つ分
- ふくらはぎとふくらはぎをつけた時の幅は頭一つ分
- 顎と乳首の間の3分の1の部分に肩がくる
などなど。
でもイラストを描き始めた時にこれを考えながら描くとパンクしてしまので、ここでは体を描く時に特に役に立つ部分だけを紹介します。
腕を簡単に描く時のポイント
腕は肩から肘、肘から手首の長さがほとんど同じです。
これを意識して描けばバランスのいい腕になります。
腕の描き方
まず肩・肘・手首が来る部分に関節を表す〇を書きます。
肩から肘、肘から手首までの〇の間隔を同じにして…
あとはそれに沿って円柱っぽいものを書けば出来上がり!
慣れてきたら肩・肘・手首の部分に骨のでっぱりを描くようにすると人間らしくなります。特に男性キャラを描きたい場合はここをゴツめにしてあげると良い感じに仕上がります。
足の描き方
足の描き方も腕と同じです。
足は太ももから膝、膝から足首がほぼ同じ長さなので、それを意識して丸を描きます。
あとはその〇に沿って足の輪郭を描いてあげれば出来上がり。
でも最初から肉づきを考えて描いてしまうとパンクしてしまうので、太ももを太く、ふくらはぎを細く描くことを意識するだけでそれらしくなります。
足の指は意外と難しい所。
ここは足袋をはかせるようにして簡略化して描いてみましょう。
親指から小指までゆるやかなアーチを意識して描くだけでそれらしくなります。
後はここに描いてある比率を意識して体を描いていきます。
人の体を描く時に気をつける点
今までに描いたのをまとめると人の絵を描く時に必要なのは
- シルエット
- 比率
です。更に難しい部分を簡略化させることで絵が描けないと思ってる人でも苦手意識をなくして描けるようになります。
人の体は丸、四角形、円柱の集まりです。図形を描くようなイメージで全体を描いてみるとこんな感じです。
顔も細部も描きこんでないのにあら不思議!人間が立ってるように見えます。
丸の部分は関節部分を表してます。描いても描かなくても大丈夫ですが、膝の関節部分を描いておくとどちらを向いているかわかりやすいため、描きこんでおいた方がいいです。
また、人の全身絵を描く時にはどの場所から人物を見ているかを意識して描きましょう。
上からみた円柱と下から見た円柱は形(見え方)が変わります。
これを意識して描くだけで全然違います。おすすめの練習として、マグカップを上から見た絵、マグカップを持ち上げて下から見た絵を描くようにすると頭の中に色々な角度の円柱がインプットされるので試してみてください。
【人体】シルエットを意識して簡単にイラストを描いてみよう
いくら簡略化していてもいきなり全身を描こうとすると挫折してしまうのでまずは上半身から。
肩・肘・手首の部分に同じ位の間隔で丸をかいて、その丸にそうように円柱を描きます。
細マッチョ!
手も顔も描きこんでませんが、シルエットで人間だとわかります。
次は全身絵!手+足の指は省き、円柱で人体を組み立てます。
慣れてきたらこの円柱人間を動かしてみましょう。
「どこから見てるか」を意識して円柱の見える部分をずらしてあげると説得力のある絵に仕上がります。
色々なポーズをつけたい!という時にはデッサン人形がおすすめです。
デッサン人形はダイソーやイケアでも売ってます。一体いるとポーズをとらせるのに便利です。
上のは付録についてきたデッサン人形。ダイソーだと小さいものでも300円位だったと思います。
デッサン人形がない!という人はデッサン人形ポーズ集というサイトがおすすめ。色々なポーズをしたデッサン人形がみれます。
シルエットを意識して人の全身絵を描く時におすすめの練習方法
ポーマニのネガティブドローイングがおすすめです。
このサイトは左脳ではなく右脳を使って絵を描くように作られたサイトなのですが、いろいろなシルエットを描く事で人の曲線や体のラインが手にインプットされます。
まとめ
- 人体を描くにはシルエットが大事
- 手や足の指は簡略化することで苦手意識をなくせる
- 肩から肘、肘から手首の長さはほぼ同じ
- 太ももから膝、膝から足首までの長さはほぼ同じ
- 円柱を意識して人の体を描く
- シルエットを描く練習をするならポーマニのネガティブドローイングがおすすめ